集落営農簿記V
(集落営農組織の簿記・決算・総会・申告までの流れ・その2)
3年度
(総会・利益処分案承認時・承認後の簿記:法人税等申告時・支払時の簿記)
・3年度の期首貸借対照表は次のとおりです。 |
期首貸借対照表 3年4月1日 |
借 方 |
貸 方 |
現金 160 |
出資金 100
未処分利益 60
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・総会が、3年×月×日(決算日後3ヶ月以内に開催)に開催され、貸借対照表・損益計算書・利益処分案が承認されました。
利益処分案
A営農組合 3年×月×日 (決算日又は総会の日)
T 当期未処分利益 60
これを次のとおり処分致します。
U 利益処分額
配当金 10
V 次期繰越利益 50
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・承認された時、組合員に対する支払義務(未払い配当)10円が生じます。残額は繰越利益となります。
借方 貸方
未処分利益 60 未払い配当 10
(支払義務)
繰越利益 50
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運動貸借対照表 |
借 方 |
貸 方 |
現金 160 |
出資金 100
○繰越利益 50
○未払い配当 10
○未処分利益 0
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・組合員に配当10円を支払ました。
借方 貸方
未払い配当 10 現金 10
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運動貸借対照表 |
借 方 |
貸 方 |
○現金 (160−10) 150 |
出資金 100
繰越利益 50
○未払い配当 0
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・総会で確定された決算資料をもとに税務申告(新年度に入ってから2ヶ月以内)をした結果、国等への支払義務(未払い法人税等の額)が10円となりました。
借方 貸方
繰越利益 10 未払法人税等 10
(支払義務)
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運動貸借対照表 |
借 方 |
貸 方 |
現金 150 |
出資金 100
○繰越利益 40
○未払い法人税 10 |
|
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・国等へ法人税等を10円支払いました。
借方 貸方
未払法人税等 10 現金 10
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運動貸借対照表 |
借 方 |
貸 方 |
○現金 (150−10) 140 |
出資金 100
繰越利益 40
○未払い法人税等 0
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・A営農組合は、3年度より米作を始め資材費・労賃・経費90円を支払いました。
借方 貸方
米作:資材費
労賃・経費 90 現金 90
(領収書)
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運動貸借対照表 |
借 方 |
貸 方 |
○現金 (140−90) 50
○米作:資材費 労賃・経費 90
(領収書)
|
出資金 100
繰越利益 40
|
|
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|
・生産した米を販売し100円の収入を得ました。
借方 貸方
現金 100 米販売収益 100
(収益明細書)
|
運動貸借対照表 |
借 方 |
貸 方 |
○現金 (50+100) 150
米作:資材費 労賃・経費 90
(領収書)
|
出資金 100
繰越利益 40
○米販売収益 100
(収益明細書)
|
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全ての取引が終了したので、費用収益科目とそれ以外の科目とに振り分けると、次のようになります。 |
貸借対照表 |
借 方 |
貸 方 |
現金 150 |
出資金 100
○未処分利益 50
(○繰越利益 40 )
(○当期利益 10 )
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損益計算書 自3年4月1日
至4年3月31日 |
借 方 |
貸 方 |
米作:資材費・労賃・経費 90
(売上原価)
当期利益 10
|
米販売収益 100 |
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4年度
(固定資産購入 : 減価償却費の処理)
この年度より、このテキストでの理解促進のため下記の内容で進めます。
@利益処分案処理をしない。
A法人税等はないものとする。
このことにより期末貸借対照表の未処分利益は、翌期首貸借対照表の繰越利益として記載されることになります。
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・4年度の期首貸借対照表は次のとおりです。 |
期首貸借対照表 4年4月1日 |
借 方 |
貸 方 |
現金 150 |
出資金 100
繰越利益 50 |
|
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・トラクター(100円)を借入金で購入しました。
借方 貸方
現金 100 借入金 100
トラクター 100 現金 100
(長期費用性資産)
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運動貸借対照表 |
借 方 |
貸 方 |
○現金 150
○トラクター 100
(長期費用性資産) |
○借入金 100
出資金 100
繰越利益 50 |
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・農作業を受託しました。@作業労賃・経費を50円支払いました。A作業請負収益を50円受取りました。
借方 貸方
作業労賃・経費 50 現金 50
現金 50 作業請負収益 50
|
運動貸借対照表 |
借 方 |
貸 方 |
○現金 150
(150−50+50)
トラクター 100
○作業労賃・経費 50
|
借入金 100
出資金 100
繰越利益 50
○作業請負収益 50
|
|
|
|
・期中の取引は全て終了しました。
・これより期末の仕訳に入ります。
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|
・トラクターの価値減少分を、減価償却費として費用計上しました。
借方 貸方
減価償却費 20 トラクター 20
(経費)
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運動貸借対照表 |
借 方 |
貸 方 |
現金 150
○トラクター 80
○減価償却費(経費) 20
作業労賃・経費 50
|
借入金 100
出資金 100
繰越利益 50
作業請負収益 50
|
|
|
|
固定資産と減価償却費について 資産には、肥料のように短期で費用(売上原価)になるものと、農業機械のように長期で費用になるものとがあります。どちらも同じ費用性資産ですが、長期のものを固定資産といいます。 たとえば、今回購入のトラクターですが、これを仮に5年使えるとします。(便宜上、残存価額は0とします。) すると、トラクターの費用はお金を払った年度にすべて費用にするのではなく、その使える期間(全年度)で費用にすることになります。 そのとき、その年のトラクターの費用は単純に計算しますと、次のようになります。 トラクター100円 ÷ 使える年数 5年 = 20円
この20円がその年のトラクターの費用になります。これを減価償却費といいます。 図で表すと次のようになります。このときの仕訳は、次のようになります。 借方 貸方 減価償却費 20円 トラクター 20円 この仕訳は年度末に行います。 固定資産は、肥料のように目に見えて減るものではなく、その価値が時間の経過とともに減ってくるので計算でしか出しようがないのです。 |
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運動貸借対照表 |
借 方 |
貸 方 |
現金 150
トラクター 80
減価償却費(経費) 20
作業労賃・経費 50
|
借入金 100
出資金 100
繰越利益 50
作業請負収益 50
|
|
・全ての取引が終了したので、費用収益科目とそれ以外の科目とに振り分けると、次のようになります。 |
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貸借対照表 |
借 方 |
貸 方 |
現金 150
トラクター 80
当期損失 20
|
借入金 100
出資金 100
繰越利益 50
|
|
|
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損益計算書 自4年4月1日
至5年3月31日 |
借 方 |
貸 方 |
作業労賃・経費 50
減価償却費(経費) 20
|
作業請負収益 50
当期損失 20
|
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|
・当期損失は生じましたが、過年度利益(繰越利益)のほうが大きいので合算すると未処分利益が残りました。
借方 貸方
繰越利益 50 当期損失 20
未処分利益 30
|
期末貸借対照表 5年3月31日 |
借 方 |
貸 方 |
現金 150
トラクター 80
○当期損失 0
|
借入金 100
出資金 100
○未処分利益 30
(内当期損失 △20)
○繰越利益 0
|
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5年度
(作物の売上原価:減価償却費の作物別配分(原価計算基準))(年度をまたがる作物の仕掛品の仕訳)
・5年度の期首貸借対照表は次のとおりです。 |
期首貸借対照表 5年4月1日 |
借 方 |
貸 方 |
現金 150
トラクター 80
|
借入金 100
出資金 100
繰越利益 30
|
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|
|
・米作を行い資材費・労賃・経費30円支払いました。
・麦作を行い資材費・労賃・経費20円支払いました。
借方 貸方
米作:資材費・労賃・経費30 現金 30
麦作:資材費・労賃・経費20 現金 20
|
運動貸借対照表 |
借 方 |
貸 方 |
○現金(150−30−20) 100
トラクター 80
○米作:資材費・労賃・経費
30
○麦作:資材費・労賃・経費
20
|
借入金 100
出資金 100
繰越利益 30
|
|
|
|
・生産した米をすべて販売し、100円の収入を得ました。
借方 貸方
現金 100 米販売収益 100
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運動貸借対照表 |
借 方 |
貸 方 |
○現金(100+100) 200
トラクター 80
米作:資材費・労賃・経費
30
麦作:資材費・労賃・経費
20
|
借入金 100
出資金 100
繰越利益 30
○米販売収益 100
|
|
・期中取引終了
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・トラクター減価償却費を費用計上しました。
借方 貸方
減価償却費 20 トラクター 20
(経費)
*このトラクターは米作(10u)、麦作(10u)の耕耘に使用されました。
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運動貸借対照表 |
借 方 |
貸 方 |
現金 200
○トラクター 60
○減価償却費(経費) 20
米作:資材費・労賃・経費
30
麦作:資材費・労賃・経費
20
|
借入金 100
出資金 100
繰越利益 30
米販売収益 100
|
|
|
|
・減価償却費を面積基準で米作(10u)と麦作(10u)に配分しました。
借方 貸方
米作:資材費・労賃・経費 10
減価償却費(経費) 20
麦作:資材費・労賃・経費 10
|
運動貸借対照表 |
借 方 |
貸 方 |
現金 200
○トラクター 60
米作:資材費・労賃・経費
40
麦作:資材費・労賃・経費
30
○減価償却費(経費) 0
|
借入金 100
出資金 100
繰越利益 30
米販売収益 100
|
|
|
共通経費の費用配分について
費用には、種子のようにその作物だけの直接費用となるものと、燃料費や共通使用機械の減価償却費のように共通経費(間接費用)となるものがあります。この共通経費については、適正なる原価配分基準によりそれぞれの作物に原価配分することになります。配分基準は面積、収入、作業時間等各種ありますが、その状況に最も適した基準を用いるのが大切な作業です。
今回は、トラクターの減価償却費を米生産原価と麦生産原価に配分する手続きですが、このテキストではそれぞれの作付け面積を基準として原価配分をしました。
減価償却費は20円です。面積は米作10u、麦作10uですから
米作の原価配分額 = 20円 × {10u ÷ (10u+10u)} = 10円
麦作の原価配分額 = 20円 × {10u ÷ (10u+10u)} = 10円
このように配分されます。
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|
・翌期に収穫し収益となる作物の費用は、(たとえ当期に支出及び使用したものであっても)翌期に費用となります。
具体的には、翌期収穫する作物にかかった費用全てを仕掛品勘定に振り替えて棚卸し資産として翌期に繰り越します。
借方 貸方
麦仕掛品(期末)30 麦作:資材費・労賃・経費30
(当期支出等)
(翌期の費用)
|
運動貸借対照表 |
借 方 |
貸 方 |
現金 200
トラクター 60
○麦仕掛品(期末) 30
(当期支出等・翌期の費用)
米作:資材費・労賃・経費
(売上原価) 40
○麦作:資材費・労賃・経費 0
|
借入金 100
出資金 100
繰越利益 30
米販売収益 100
|
|
|
|
・すべての取引が終了し棚卸をすると販売米の在庫がなかったので、米作にかかった生産費用(生産原価)は全て当期の費用(売上原価)となりました
麦仕掛品勘定について
費用と収益を対応させることは会計上の大原則です。
しかし、年度を越えて栽培される作物は、費用支出される年度と収穫・収益収入の年度とが異なるためその会計処理にはいくつかの手続きが必要となってきます。
麦については、10月の圃場準備から播種施肥等3月末までにかかった費用全てを支出した年度の費用とせず、その合計額を仕掛品勘定として貸借対照表上に計上し翌期に繰り延べなければなりません。
繰り延べられた仕掛品(前年度費用支出等)は翌期収穫年度に売上原価として再び費用化されます。
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|
|
・全ての取引終了 → 損益計算書・貸借対照表作成
|
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|
期末貸借対照表 6年3月31日 |
借 方 |
貸 方 |
現金 200
トラクター 60
麦仕掛品(期末) 30
(当期支出等・翌期の費用) |
借入金 100
出資金 100
○未処分利益 90
(○繰越利益 30 )
(○当期利益 60 )
|
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損益計算書 自5年4月1日
至6年3月31日 |
借 方 |
貸 方 |
米作資材費・労賃・経費
(売上原価) 40
当期利益 60
|
米販売収益 100 |
|
* ここでの売上原価は、本来的表現としては生産原価が正しいのですが、生産品が全て売れてしまい在庫がないという前提のもとでは生産原価=売上原価としても特に問題はありません。 |
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6年度
(作物の売上原価:減価償却費の作物別配分(原価計算基準)(年度をまたがる作物の仕掛品の仕訳)
・6年度の期首貸借対照表は次のとおりです。 |
期首貸借対照表 6年4月1日 |
借 方 |
貸 方 |
現金 200
トラクター 60
麦仕掛品(期首) 30
(当期費用・前期支出等)
|
借入金 100
出資金 100
繰越利益 90 |
|
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・米作を行い資材費・労賃・経費40円支払いました。
・麦作を行い資材費・労賃・経費20円支払いました。
借方 貸方
米作:資材費・労賃・経費40 現金 40
(米生産費)
麦作:資材費・労賃・経費20 現金 20
(麦生産費)
|
運動貸借対照表 |
借 方 |
貸 方 |
○現金 280
(200−40−20+100+40)
麦仕掛品(期首) 30
トラクター 60
○米作:資材費・労賃・経費
(米生産費) 40
○麦作:資材費・労賃・経費
(麦生産費) 20
|
借入金 100
出資金 100
繰越利益 90
○米販売収益 100
○麦販売収益 40
|
|
|
|
・生産した米をすべて販売し100円の収入を得ました。
・生産した麦をすべて販売し40円の収入を得ました。
借方 貸方
現金 100 米販売収益 100
現金 40 麦販売収益 40
|
運動貸借対照表 |
借 方 |
貸 方 |
現金 280
麦仕掛品(期首) 30
○トラクター 40
○減価償却費(経費) 20
米作:資材費・労賃・経費
(米生産費) 40
麦作:資材費・労賃・経費
(麦生産費) 20
|
借入金 100
出資金 100
繰越利益 90
米販売収益 100
麦販売収益 40
|
|
・期中取引終了
|
|
・トラクター減価償却費を費用計上した。
借方 貸方
減価償却費 20 トラクター 20
(経費)
|
運動貸借対照表 |
借 方 |
貸 方 |
現金 280
麦仕掛品(期首) 30
トラクター 40
○米作:資材費・労賃・経費
(米生産費) 50
○麦作:資材費・労賃・経費
(麦生産費) 30
○減価償却費(経費) 0
|
借入金 100
出資金 100
繰越利益 90
米販売収益 100
麦販売収益 40
|
|
|
|
・減価償却費を面積基準で米作と麦作に配分しました。
(米作10u、麦作10u)
借方 貸方
米作:資材費・労賃・経費 10 減価償却費 20
(米生産費) (経費)
麦作:資材費・労賃・経費 10
(麦生産費)
・本年10月に播種した麦については翌期の費用となります。
10月以降の麦作費用20円は翌期の費用(麦仕掛品)として繰り延べます。
借方 貸方
麦仕掛品(期末)20 麦作:資材費・労賃・経費20
(当期支出等) (麦生産費)
(翌期の費用) |
運動貸借対照表 |
借 方 |
貸 方 |
現金 280
トラクター 40
米作:資材費・労賃・経費
(米生産費) 50
○麦作:資材費・労賃・経費
(麦生産費) 60
○麦仕掛品(期首) 0
|
借入金 100
出資金 100
繰越利益 90
米販売収益 100
麦販売収益 40
|
|
|
|
・すべての取引が終了し、米も麦も在庫が残っていなかったので全て販売されたものとします。すると、当期に収穫された米麦の生産費用(生産原価)は、全て当期の費用(売上原価)となります。
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運動貸借対照表 |
借 方 |
貸 方 |
現金 280
トラクター 40
○麦仕掛品(期末) 20
(当期支出等・翌期の費用)
米作:資・労・経(米生産費)
(米売上原価) 50
○麦作:資・労・経(麦生産費)
(麦売上原価) 40
|
借入金 100
出資金 100
繰越利益 90
米販売収益 100
麦販売収益 40
|
|
・全ての取引終了 → 損益計算書・貸借対照表作成
|
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期末貸借対照表 7年3月31日 |
借 方 |
貸 方 |
現金 280
トラクター 40
麦仕掛品(期末) 20
(当期支出等・翌期の費用)
|
借入金 100
出資金 100
○未処分利益 140
(○繰越利益 90 )
(○当期利益 50 )
|
|
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|
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損益計算書 自6年4月1日
至7年3月31日 |
借 方 |
貸 方 |
米作:資・労・経 50
(米売上原価)
麦作:資・労・経 40
(麦売上原価)
当期利益 50
|
米販売収益 100
麦販売収益 40
|
|
生産(製造)原価報告書の作成及び損益計算書との関係 (この項を無理して読むと、気を失います) 農産物を生産販売する営農組合が、損益計算書の作成に付随して基本的に作成しなければならない財務書類に生産(製造)原価報告書があります。
上記事例をもとに、生産(製造)原価報告書を作成してみましょう。また、それと関連して損益計算書も作成してみましょう。
これが、本来の計算書類のかたちですが、見ただけで胸がわるくなりそうです。
現実的には、収穫した生産物は、その年度内に販売または処理が行われる事例が大半であり、期首期末在庫がない状態では生産品生産原価をそのまま売上原価として処理しても問題はありません。
したがって、その場合の損益計算書は次のとおりです。
損益計算書 |
米販売収益 100
麦販売収益 40
米売上原価 50
麦売上原価 40
売上総利益 50
・ ・
当期利益 50
|
また、生産(製造)原価報告書は麦のように年度を跨いだ作物がなければ、当面、作成するまでには及ばないでしょう。
出来るところからやり始め、必要性が感じられたときには別途相談して下さい。
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7年度
(固定資産の処分:廃棄・売却・下取り)
・7年度の期首貸借対照表は次のとおりです。 |
期首貸借対照表 7年4月1日 |
借 方 |
貸 方 |
現金 280
トラクター 40
麦仕掛品(期首) 20
|
借入金 100
出資金 100
繰越利益 140
|
|
|
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・トラクター(帳簿価額40円)が壊れたので廃棄しました。
借方 貸方
トラクター廃棄損 40 トラクター 40
|
運動貸借対照表 |
借 方 |
貸 方 |
現金 280
麦仕掛品(期首) 20
○トラクター廃棄損 40
○トラクター 0
|
借入金 100
出資金 100
繰越利益 140
|
|
|
|
*トラクター(固定資産)の処理については廃棄、売却、下取り、交換等があります。
集落営農組織では交換等はあまりないと思われますので廃棄・売却・下取りについて下記の事例で理解を深めましょう。
固定資産の処分(廃棄・売却・下取り) |
7年度の期首貸借対照表を出発点として理解を深めましょう。 |
期首貸借対照表 7年4月1日 |
借 方 |
貸 方 |
現金 280
麦仕掛品 20
トラクター 40
|
借入金 100
出資金 100
繰越利益 140
|
|
廃棄事例 |
運動貸借対照表 |
借 方 |
貸 方 |
現金 280
麦仕掛品 20
○トラクター廃棄損 40
○トラクター 0
|
借入金 100
出資金 100
繰越利益 140
|
|
・トラクター(帳簿価額40円)を廃棄したとき
借方 貸方
(トラクター廃棄損) 40 (トラクター) 40
|
売却事例1 |
運動貸借対照表 |
借 方 |
貸 方 |
○現金 (280+60) 340
麦仕掛品 20
○トラクター 0
|
借入金 100
出資金 100
繰越利益 140
○トラクター売却益 20
|
|
・トラクター(帳簿価額40円)を60円で売ったとき
借方 貸方
( 現金 ) 60 (トラクター) 40
(トラクター売却益) 20
|
売却事例2 |
運動貸借対照表 |
借 方 |
貸 方 |
○現金(280+20) 300
麦仕掛品 20
○トラクター売却損 20
○トラクター 0
|
借入金 100
出資金 100
繰越利益 140
|
|
・トラクター(帳簿価額40円)を20円で売ったとき
借方 貸方
( 現金 ) 20 (トラクター) 40
(トラクター売却損) 20
|
下取り事例1 |
運動貸借対照表 |
借 方 |
貸 方 |
○現金(280−40) 240
麦仕掛品 20
○トラクター 100
○トラクター 0
|
借入金 100
出資金 100
繰越利益 140
○トラクター処分益 20
|
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・トラクター(帳簿価額40円)を60円で下取りしてもらい追い金40円を出して100円のトラクターを購入したとき
借方 貸方
( 現金 ) 60 (トラクター) 40
(トラクター処分益)20
(トラクター) 100 ( 現金 ) 100
40
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下取り事例2 |
運動貸借対照表 |
借 方 |
貸 方 |
○現金 (280−80) 200
麦仕掛品 20
○トラクター 100
○トラクター処分損 20
○トラクター 0
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借入金 100
出資金 100
繰越利益 140
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・トラクター(帳簿価額40円)を20円で下取りしてもらい追い金80円を出して100円のトラクターを購入したとき
借方 貸方
( 現金 ) 20 (トラクター) 40
(トラクター処分損) 20
(トラクター) 100 ( 現金 ) 100
80
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・借入金のうち50円返済しました。
借方 貸方
借入金 50 現金 50
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運動貸借対照表 |
借 方 |
貸 方 |
○現金 (280−50) 230
麦仕掛品(期首) 20
トラクター廃棄損 40
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○借入金(100−50) 50
出資金 100
繰越利益 140
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・昨年播種の麦を栽培し資材費・労賃・経費20円を支払いました
・生産した麦をすべて販売し、50円の収入を得ました。
借方 貸方
麦作:資材費・労賃・経費 20 現金 20
(麦生産費)
現金 50 麦販売収益 50
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運動貸借対照表 |
借 方 |
貸 方 |
○現金 (230−20+50) 260
麦仕掛品(期首) 20
トラクター廃棄損 40
○麦作:資材費・労賃・経費
(麦生産費) 20
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借入金 50
出資金 100
繰越利益 140
○麦販売収益 50
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・期中取引終了
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・昨年度に播種した麦の費用(麦仕掛品)20円は当期の費用となります。
借方 貸方
麦作:資材費・労賃・経費 20 麦仕掛品(期首) 20
(麦生産費)
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運動貸借対照表 |
借 方 |
貸 方 |
現金 260
トラクター廃棄損 40
○麦作:資・労・経(麦生産費)
(生産原価)(売上原価)40
○麦仕掛品(期首) 0
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借入金 50
出資金 100
繰越利益 140
○麦販売収益 50
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・全ての取引が終了し販売麦の在庫もないため、当期収穫麦にかかった費用(生産原価)は全て当期の費用(売上原価)となりました。 |
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・全ての取引終了 → 損益計算書・貸借対照表作成 |
期末貸借対照表 8年3月31日 |
借 方 |
貸 方 |
現金 260 |
借入金 50
出資金 100
○未処分利益 110
(○繰越利益 140 )
(○当期損失 △30 )
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損益計算書 自7年4月1日
至8年3月31日 |
借 方 |
貸 方 |
麦生産費 40
(資材費・労賃・経費)
(麦売上原価)
トラクター廃棄損 40
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麦販売収益 50
当期損失 30
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